新・名勝負数え歌
昭和vs平成のテクニシャン対決は奥飛騨が勝利
セミファイナル シングルマッチ 45分一本勝負
○奥飛騨じゅん
みなみ小見山×
21分22秒
ジャックナイフ固め
昭和の情緒を色濃く残す小見山と、華麗な平成のレスリングスタイルで時代を駆け抜けてきた奥飛騨との闘いは、形成が目まぐるしく変わるスリリングな一戦となった。体重差を生かし圧力をかけてくる小見山に対し、奥飛騨は持ち前のスピードで対抗、人口衛星ヘッドシザースを繰り出し場外へダイブすると、実況席を巻き込んでエキサイトする両者。あたふたする実況セクハラを、奥飛騨にぶつける荒技で主導権を握った小見山は、その後も熟練のテクニックで確実に奥飛騨を追い込んでいった。
そして終盤、小見山がパワーボムを狙ったところを奥飛騨がラナで回避すると得意の回転技で反撃開始。負けじと小見山もコーナーからのボディーアタックをみせ、技のつばぜり合いが繰り広げられると会場のボルテージも最高潮に達した。
しかし、終局は突如として訪れる。それは試合開始から21分、小見山の仕掛けたバックドロップをオクヒダ・ラナで切り抜けたところを小見山がまさかの丸め込み返し。勝負ありと見えたが更に上をいったのがこの日の奥飛騨。体を入れ替えると電光石火の丸め込み返しをみせ3カウントを奪取、見事勝ち名乗りをあげた。
試合後花道を引き揚げる両者の表情はどこか清々しいものがあった。それはお互いに出し惜しみすることなく全力を尽くした証なのかもしれない。
▲序盤は優位に進めた小見山だったが…
▲丸め込みを返され3カウントを聞いた。